• 社会福祉法人 真生会

No.68 春を迎える頃

 令和5年元旦。子どもたちから年賀状が施設内で行き交い、晴れ着を着た子どもたちがユニットから出てきてご挨拶。穏やかにベビーホームの一年が始まりましたが、幕の内も明けないうちに、コロナのクラスターが発生。その後、インフルエンザも加わって、2月の終わりまで、大変な時期が続きました。全てのユニットから集まって、楽しい行事を行うことも難しく、子どもたちと職員の健康が脅かされました。それでも、オール白百合で、笑顔あふれる養育を大切にしてきました。
 感染症流行の一区切りのタイミングで職員参加の新春あみだくじ大会を実施。今年1年の抱負と共に、施設長からの細やかな景品が。子どもたちの笑顔のためには、職員の元気・笑顔が欠かせません。

「おには、そと」「ふくは、うち」お部屋で一生懸命に鬼を(泣き声で?!)やっつけた子どもたち。その日のお昼ごはん・おやつは、節分の行事食。いろいろな形で行事に触れ、楽しみました。
 その後もすぐにクラスターが発生。それでも、施設間の感染拡大はこれまでの経験値を生かして、完全に阻止できました。これによって、感染ユニットがあっても、面会交流や、実習、里親さんの受け入れなどは、何とか継続することができました。2月の感染症流行の合間にも、ダンスプログラムやおはなしの会を行いました。お互いの健康を気遣いながらも、子どもたちを真ん中に、楽しみを奪わない方向で、白百合を応援してくださったことに厚く御礼申し上げます。どのプログラムも、この一年、回を重ねるごとに、子どもの反応が良くなっていきます。コロナ禍であっても、子どもの遊びやプログラムを大切に積み重ねてきたことが、子どもを通して伝わってくる、嬉しい瞬間に、毎回出会うことができます。

 3月3日。ひなまつりには、感染症が落ち着き、ようやくみなで集まることができました。子どもたちの元気な笑顔、それをとりまく大人の笑顔、子どもたちの作ったお雛様・・・保育室には、まるで春の花が咲いたようです。
 アートプログラムで子どもたちが作ったお雛様が、にこにこと笑顔で見守っていてくれます。ひなまつり会のあとは、そのままみんなでランチ。この日のために、お部屋でランチョンマット・自分たちのお雛様を作ってきてくれた子どもたちも。大きくなあれ!と大きな紙芝居。ひまなつりの歌のリズムに合わせて身体を揺らしながら、おいしいごはんをいただき、心地よい春のランチのひと時を過ごしました。小さな体のどこに、そんなにたくさんのごはんが入るの!?というくらいに、たくさんおかわりをしました。3月は、お別れの多い時期。面会交流や、外出、外泊も多く、ユニット内の予定を調整するのが大変。そんな中にも、子どもたちの健康とお天気の様子を見ながら、ユニットの子どもたちと職員で、お別れ遠足へ出かけています。この一日、この一瞬の出会いが本当に奇跡のように大切なんだと、子どもたちを抱きしめながら深く思います。思い出をぎゅっと詰め込んで、それぞれの道に旅立つ支度を整えているところです。