今年も桜がきれいでした。3月から4月にかけては、子どもたちとの別れと出会いが多い時です。乳児院を旅立つ子どもたちは、わずか2歳、3歳。別れの切なさは、何度経験しても言葉にできないものがあります。子どもたちには、どんなに短い在所期間でも担当がつき、愛情たっぷりな生活を送ります。もちろん、小さい子どもの記憶に明確に残るものは、ほとんどないかもしれませんが。
笑顔で子どもを送り出した担当職員の喪失感は、いつも控えめにしか語られません。でもこの時、同じ経験を持つ仲間として、専門職として、そして一人の人間として、深い共感とリスペクトを伴う労いの気持ちが、私の身体の奥底から湧いてくるのです。この職員の誠実な職務の真実が、本人の周りにいる他者をも大きく育ててくれる。私たちの大切な宝物です。(aokiku)